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2024年5月に成立した民法等改正法は、父母が離婚した後も子どもの利益を確保することを目的として、子どもを養育する親の責務を明確化するとともに、親権、養育費、親子交流などに関するルールを見直され、2026年4月1日に施行されます。
改正内容についての詳細は、法務省HPをご覧ください。https://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00357.html<外部リンク>
父母が、親権や婚姻関係の有無に関わらず、子どもを養育する責務を負うことなどが明確化されています。
子どもの人格の尊重
父母は、子どもの心身の健全な発達を図るため、子どもを養育する責務を負います。子どもの意見に耳を傾け、子どもの人格を尊重しなければなりません。
子どもの扶養
父母は、子どもを扶養する責務を負います。子どもが親と同程度の水準を維持することができるようなものでなければなりません。
父母間の人格尊重・協力義務
父母は、子どもの利益のため、互いに人格を尊重し協力しなければなりません。なお、次のような行為は、この義務に違反する場合があります。
・父母の一方から他方への暴行、脅迫、暴言等の相手の心身に悪影響を及ぼす言動
・別居親が、同居親による日常的な看護に、不当に干渉すること
・父母の一方が、特段の理由なく他方に無断で子どもを転居させること
・父母間で親子交流の取り決めがなされたにも関わらす、その一方が、特段の理由なく、その実施を拒むこと
※違反した場合、親権者の指定又は変更の審判、親権喪失又は親権停止の審判等において、その違反の内容が考慮される可能性がある。
※暴力や虐待等から逃れることはルールに違反しない。
離婚後の親権者
これまで父母の離婚後は、父か母のどちらか一方のみを親権者と定めなければなりませんでした。今回の法改正により次の2つの方法から選択できるようになります。
単独親権:父母どちらか一方だけが親権を持つ(従来どおり)
共同親権:父母の両方が親権を持つ
親権の行使
親権は、父母が共同して行います。ただし、父母の一方が親権を行うことができないときは他方が行います。なお、次のような場合は、親権の単独行使ができます。
・監護教育に関する日常の行為をするとき
・子どもの利益のため窮迫の事情があるとき
子どもの健やかな成長を支える養育費を確実に受け取ることができるように、新たな制度の創設やルールの見直しが行われます。
「法定養育費制度」の導入(金額を決める前の緊急対策)
離婚のときに養育費の取り決めがなかった場合でも、子どもを主に育てている親は、相手に対し、離婚の日から一定期間、すぐに養育費を請求できます。この請求できる金額は、子どもが最低限の生活を送るために必要な標準的な費用を勘案して法務省令で定められてます。
相手のお金に関する情報を集めやすくなる(情報開示命令)
養育費や婚姻費用の分担、財産分与の話し合いや裁判の際に、裁判所は親に対して収入や財産の情報を開示するように命令できるようになりました。
差し押さえの手続きがスムーズに(ワンストップ化)
養育費などに関する債権について、債権者が財産を開示しない場合に、裁判所が市町村などに対し、債権者の給与などの情報提供を命じる特例が設けられます。これにより、情報開示手続きと差し押さえ手続きがより連携して進められ、養育費を早く、確実に受け取れるようになります。
新しい法律では、親子交流が「子どもの幸せ」のために安全に行われるよう、ルールが見直されました。
親子交流の試験的実施
家庭裁判所は、子どもの心身の状況に照らして相当であるか、調査の必要性があるかなどを考慮して、親子交流の試験的実施を促すことができます。
婚姻中別居の場合の親子交流
婚姻中別居の場合の親子交流については、子どもの利益を最優先に考慮し、父母の協議により定めます。協議が成立しない場合には、家庭裁判所の審判等により定めます。
父母以外の親族と子どもの交流
子どもの利益のため特に必要があるときは、家庭裁判所は、父母以外の親族と子どもとの交流を実施するように定めることができます。
こちらも参考に こどものための共同養育計画書 [PDFファイル/3.36MB