有機農業推進計画

計画本編は、本ホームページのほか、町農林振興課窓口、各地区公民館、町立図書館に備え付けの冊子でもご覧になれます。

計画策定の趣旨

 近年、有機農業に関する世界的な関心が高まっていますが、高畠町の有機農業は昭和40年代後半から全国に先駆けて取り組まれてきました。

そして、町では、平成20年9月に制定した「食と農のまちづくり条例」に基づき、「豊穣の郷づくり基本計画」を策定し、本町の豊かな自然環境や肥沃な農用地の保全とともに、魅力ある農林業が息づく農商工が連携したまちづくりに取り組んできました。そうした背景のもと、町では、有機農業の推進に関する法律に基づき、町における「高畠町有機農業推進計画」を策定し、有機農業における栽培技術の確立・普及や有機農業者等への支援、町民の理解・関心の醸成、有機農産物の消費拡大等、SDGs(持続可能な開発目標)の取り組みや2050年ゼロカーボン達成にも貢献する有機農業の推進に取り組むこととします。

有機農業の定義

 この計画において「有機農業」とは、有機農産物の日本農林規格(有機JAS)に規定する生産方式に限定することなく、化学的に合成された肥料及び農薬を使用しないこと並びに遺伝子組換え技術を使用しないことを基本として、農業生産に由来する環境への負荷をできるだけ低減した農業生産の方法を用いて行う農業とします。

計画期間

 令和3年度から令和7年度までの5年間

現状と課題

(1) 有機農業に関する現状

 高畠町では、昭和40年代から全国に先駆けて有機農業に取組む生産者が多数おり、現在もその流れは引き継がれていますが、生産者の高齢化により有機農業従事者は年々減少しています。また、有機農業に関する栽培マニュアルが確立されていないため、収量が安定しない栽培技術の難しさがあります。さらに、町内で生産される有機農産物の多くは町外で流通していることから、町内の消費者には届いていないのが現状です。また、慣行栽培の農産物と比べると有機農産物は、価格が割高な場合が多いため、手頃な価格を望む消費者の多くは慣行栽培の農産物を選ぶ傾向にあります。

 

(2) 現状から見えてきた、以下の課題に取り組むことが重要です。

 

ア 生産者側

 1. 施肥・土づくりにかかる生産コストの削減。

 2. 雑草除去作業や病害虫対策等の省力化。

 3. 耕作条件に合わせた、統一した栽培マニュアルの整備と安定した収量の確保。

 4. 有機JAS認証登録の増加と事務軽減。

 5. 販売価格の設定と販路開拓。

 

 

イ 消費者側

 1. 有機農業が持つ環境負荷低減効果への理解の増進。

 2. 有機農業にかかる労力とコストへの理解の増進。

 3. 生鮮商品を購入する際の「新鮮さやおいしさ」、「手頃な価格」、「安全性」、「健康に良いこと」に加え、「環境に良いから」の認識の醸成。

推進目標

 現状と課題から、有機農業を推進するための目標を設定しました。

 

 有機農業に取組むことにより生産者が今より「健康」で「豊か」になり、町内の農産物を食べた消費者がさらに「健康」になり、関わった人全てが「笑顔」になれるように、4つの目標を次のとおり設定し、計画推進するものとします。

(1) 有機農業の栽培技術確立に向けた支援を拡充します。
(2) 有機農業に取組む農業者数増に向けた支援を拡充します。
(3) 有機農業に対する消費者理解の増進を図ります。
(4) 有機農産物の販路開拓と消費拡大を進めます。

推進目標値

【生産に関する項目】

項 目 分 類

現状値

(令和2年度)

目標値

(令和7年度)

増減率
有機農業取組面積 水稲 98ha 127ha 30%
有機JAS栽培面積 水稲 51ha 66ha 30%
有機JAS認証者数 個人、団体 7経営体 10経営体 43%
特別栽培面積 水稲 588ha 646ha 10%

 

【消費・製造・流通に関する項目】

項 目 分 類

現状値

(令和2年度)

目標値

(令和7年度)

増減率
有機農産物を原料にした商品数 たかはたブランド 1商品 3商品 200%
有機農産物の販売店数 有機農産物全般 1店舗 5店舗 400%
有機農産物メニューを提供する飲食店数 有機農産物全般

データなし

3店舗 皆増
有機農産物を使用した学校給食 学校数 3校 7校 133%

※ 有機農産物メニューを提供する店舗数の現状値は、把握されていません。

施策展開の方向性

(1) 有機JAS認証取得の推進及び参加型認証制度(PGS)の取組みや農産物に対する高畠基準の研究

(2) 労力軽減、収量拡大のためのスマート農業の研究と導入支援

(3) 有機農業推進協議会を通じた町内有機農産物等栽培状況の把握と推進協議会活動支援

(4) 有機農産物の魅力や生産者情報の発信、有機農業先駆者の栽培技術の伝承及び生産者と消費者等の交流活動を担う「たかラボ」活動への支援

(5) 学校給食における有機農産物使用の拡大

(6) たかはたブランドにおける有機農産物原料商品の開発、町内飲食店における有機農産物食材メニューの開発、町内小売店における有機農産物販売の推進

推進体制

 有機農業者、消費者、流通関係者、食品加工業者、行政関係機関等で組織する有機農業推進委員会を設置し、有機農業に関する情報共有、計画推進策についての協議、情報発信等を行っていきます。

 

 推進計画を着実に実行するためには、農業者・農業団体等の生産者や行政のみならず、消費者である町のみなさんや農産物加工や流通・販売といった事業者のみなさんのご理解とご協力が必要です。多くのみなさんに本計画を知っていただき、自分のできるところからのご協力をお願いします。

この記事に関するお問い合わせ先

農林課 生産振興係

〒992-0392
山形県東置賜郡高畠町大字高畠436
電話番号:0238-52-2086

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更新日:2021年03月29日