○まほろばの里たかはた観光振興条例
平成28年9月21日条例第28号
まほろばの里たかはた観光振興条例
高畠町は、奥羽の山なみにいだかれた屋代川と置賜盆地を流れる最上川の周辺地域に広がる肥沃な土地に、全国でも屈指の水田地帯と果樹園地帯が広がる稔り豊かな自然を有している町です。また、国指定史跡である日向洞窟をはじめとする多くの史跡や遺跡は、約1万2千年前の縄文草創期のいにしえから連綿と続き、現代に引き継がれていることは、わたしたちまほろばの里の住民の誇りです。
本町の観光は、農業、商工業、サービス業など業種を超えて幅広い分野で支えられてきた産業であり、地域経済の活性化や賑わいの創出、雇用の拡大などをもたらしてきました。また、自然とそこに住む人々とが調和する「まほろばの里たかはた」には、安久津八幡神社、亀岡文殊などの歴史的文化遺産、古式ゆかしい延年の舞などの伝統芸能、青竹ちょうちんまつりや大日如来わらじみこしなどの地域行事をはじめ、風光明媚な鳩峰高原、まほろばの緑道、まほろば古の里歴史公園、浜田広介記念館、道の駅たかはた、犬の宮・猫の宮などの自然や文化資源のほか、様々な団体が繰り広げるイベント、全国に誇る農産物や有機農業など食を通じた多種多彩な地域資源があります。
そして、これらの地域資源を観光資源として最大限に活用し、魅力の向上による「もう一度訪れたくなる観光のまちづくり」を行うことが課題です。
そのためには、この地域に根付いてきた「おもてなしの心」とひろすけ童話の愛と善意に満ちた「やさしい心」が、まほろばの里たかはたを訪れる方に伝わるようにしなければなりません。
町民一人一人が高畠町の地域資源に対して誇りを持ち理解を深めるととともに、町民・観光事業者・観光関係団体・町が互いに協働し、連携しながら、どこまでも輝き続けることができる観光の町の実現を目指すため、ここに「まほろばの里たかはた観光振興条例」を制定します。
(目的)
第1条 この条例は、本町における観光の振興についての基本的事項を定めることにより、観光振興施策を総合的に推進し、もってどこまでも輝き続ける観光の町「まほろばの里たかはた」の実現に資することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 観光資源 歴史的文化遺産、伝統芸能、地域行事、自然、文化資源、食と農その他観光の振興に資する地域資源
(2) 観光事業者 観光施設の管理又は運営に携わる者、旅行に関するサービスを提供する者、農林水産業に携わる者、商工業に携わる者その他観光に関する事業を行う者
(3) 観光関係団体 観光事業者によって組織される団体、観光事業者と連携調整を行っている団体その他観光に関する活動を行う団体
(基本理念)
第3条 観光の振興は、町民、観光事業者、観光関係団体及び町が適切な役割分担と相互の連携により、次に掲げる事項を推進しなければならない。
(1) 自然豊かな環境と歴史・文化遺産を生かした魅力ある観光のまちづくりを推進する。
(2) 地域ブランドの確立により、人・土地・自然が輝き希望あふれる観光のまちづくりを推進する。
(3) 農産物等の生産や食品加工が盛んな土地柄を生かした、自信と誇りに満ちた食による観光のまちづくりを推進する。
(4) 様々な体験を通し、人と人とのふれあいが感動を生み出す観光のまちづくりを推進する。
(5) 地域資源を磨き、人のつながりが地域をつなぐ観光のまちづくりを推進する。
(町民の役割)
第4条 町民は、基本理念にのっとり、観光の振興に対する関心及び理解を深めるよう努めるものとする。
2 町民は、観光客をおもてなしの心で温かく迎えるとともに、地域の歴史、文化等を大切に継承し、観光資源を活用したまちづくりに参画するよう努めるものとする。
3 町民は、地域の美化に努め、町の景観の保全に努めるものとする。
(観光事業者の役割)
第5条 観光事業者は、基本理念にのっとり、観光客に快適なサービスを提供するなど、観光客の満足度の向上に努めるものとする。
2 観光事業者は、観光の質を高めるための人材育成並びに同業の事業者及び地域における他の産業と連携することにより、観光の活性化を図るよう努めるものとする。
3 観光事業者は、町の観光振興に関する施策の趣旨を理解し、事業を実施するよう努めるものとする。
(観光関係団体の役割)
第6条 観光関係団体は、基本理念にのっとり、観光関係事業者間の連携を図るよう努めるものとする。
2 観光関係団体は、観光資源を生かしながら積極的に観光情報を発信し、交流人口の増加、観光客の誘致、受け入れ態勢の整備等の事業に取り組み、観光地づくりに努めるものとする。
3 観光関係団体は、町の観光振興に関する施策の趣旨を理解し、事業を実施するよう努めるものとする。
(町の役割)
第7条 町は、基本理念にのっとり、観光の振興に関する施策を策定し、及び実施するものとする。
2 町は、町民、観光事業者及び観光関係団体(以下これらを「町民等」という。)が相互に連携して観光の振興に関する取組みが進められるよう支援及び調整を図るものとする。
3 町は、町民等が自主的に観光の振興に関する取組みに参画できるよう、広報、啓発及び情報の提供に努めるものとする。
4 町は、観光資源の活用により魅力ある観光地の形成を図るため、町民等との連携により、観光資源の整備、保全等に必要な施策を講ずるものとする。
5 町は、地域の多様な関係者を網羅する将来的な地域一体型の観光地づくりについて、調査及び研究をしていくものとする。
(観光振興計画の策定)
第8条 町長は、町の観光の振興を総合的かつ戦略的に推進するため、高畠町観光振興計画(以下「観光振興計画」という。)を策定する。
2 観光振興計画には、次の事項を定めるものとする。
(1) 観光の振興に関する基本理念及び基本方針
(2) 観光の振興に関する具体的施策
(3) 観光振興計画の推進体制
(4) その他観光振興に関する事項
3 町長は、第1項の計画を定めるときは、本町の観光振興に寄与する団体、組織等から意見を聞くことができる。
4 町長は、第1項の計画を策定するに当たり、町民等から意見を求めるとともに、観光振興計画を定めたときは、これを公表するものとする。
5 前2項の規定は、観光振興計画の変更についても準用する。
(広域連携の推進)
第9条 町は、県その他の地方公共団体と連携し、町の観光資源を有効に活用するために必要な広域的な観光及び観光の振興に関する施策を推進するものとする。
(支援措置)
第10条 町は、町民等が行う活動で観光の振興に寄与していると認めるときは、当該活動に対して必要な支援に努めるものとする。
2 前項の活動が観光の振興に必要と認められるときは、財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。
(委任)
第11条 この条例の施行に関し必要な事項は、町長が別に定める。
附 則
この条例は、平成28年10月1日から施行する。